Alumni Interview Project 第3弾 後編: 哘崎 悟 (Satoru)
"自分の可能性に挑戦する旅"
〜関西学院大学からDVCを経て、
シリコンバレーでの起業まで〜
第3弾 中編:
哘崎 悟
(Satoru Sasozaki)
Date: January 15th, 2018
Interviewer: Takahiko Sugitani
Alumni Interview Project 第3弾 中編では、SatoruさんにDVC在学中に勉強面で苦労したこと、インターンシップを取る過程などについて伺いました。今回の後編ではSatoruさんのアメリカでの仕事について聞いていきます。
Satoruさんの Alumni Interview Project 第3弾 前編 はこちらのURLから!
3. DVCからアメリカで起業
DVCを巣立って行かれた先輩たちの多くが目標としていた次のステップに踏み出しています。みなさんはそれぞれの新天地にて一体どのような生活を送っているのでしょうか?DVCというコミュニティーカレッジでの期間との違いを含めて、卒業後の生活についていろいろと貴重なお話を聞くことが出来ました。
インタビュアー:それではSatoruさんの仕事についてお話を聞いていきます。DVCを卒業後、起業をされたとのことですが、どのような会社を経営されていますか?
Satoru:AR (拡張現実)を使ったカメラアプリを開発する会社をサンフランシスコでやっています。サンフランシスコのプログラミングブートキャンプで出会った仲間と始めました。ブートキャンプ内でのプロジェクトのチームメイトで、いいチームなのでこのまま続けようという流れになり、会社にすることになりました!
プログラミングブートキャンプのデモデーの様子
インタビュアー:なるほど。行動力がすごいですね!アメリカで仕事をする上で大変な事は何ですか?
Satoru:日本とアメリカではそもそも国としての成り立ちが大きく異なっているので、表面的な比較をして極端に一般化してしまうのは避けるようにしています。その上で日々の仕事を通して感じているのは、議論に勝った意見が常に正しくなるということです。例えば、明らかにおかしいと思われる案でも、議論を通じて反証できなければ、正しいことになります。日本でよく見られるような、暗黙の了解を前提として、議論を飛ばして結論に至ることは稀だと感じています。
インタビュアー:確かに日本では空気を読んで口に出さない事がありますね。
Satoru:そうですね。この点では日本でもそうだと思いますが、議論の中では理由付け(Reasoning)のスキルが重要になり、常に根拠となる理由を完璧に提示できる状態にしておくことが主張を通す鍵だと考えています。
ただ、理由付けがしっかりできていたとしても、議論の技術が乏しければ主張を通すことは難しくなります。アメリカ人は議論の作法と技術がしっかりと身についている人が多いので、見習うようにしています。加えて、第二言語の英語で議論をするので、語学力が問題となることも多々あります。しかし、うまくいかなかった場合は、語学力が問題だったのか、準備の段階で十分に突き詰めて考え抜くことができていなかっただけなのかを混同しないよう、常に分けて原因を考えるようにしています。
オフィス近くのお気に入りのビーガンレストラン
インタビュアー:日本の文化の中で育ったからこその大変さがあるんですね。では、日本でビジネスをするのと比べて、アメリカでビジネスをするメリットは何ですか?
Satoru:アメリカと日本、というよりも、ある分野の最先端の地にいるかどうかだと思います。テクノロジーだとシリコンバレー、深セン、エストニアなど。金融だとニューヨーク、ファッションならパリ、アニメやデジタルクリエイティビティなら東京というように。同じ分野に関心のある人々が何かを成し遂げるために集まるような場所には、他では得られない熱量があると感じています。その中に身を置いて活動することは、事業の成功の大きな手助けになると感じています。
また、ビジネスパートナーがカナダ人なので、仕事は全て英語で日本語を使うことはありません。デザイナーを短期採用する機会が数回あったのですが、実際に面接した候補者はアメリカ、イギリス、スウェーデン、ロシアに住んでいる人でした。おそらく、日本で日本語で仕事をしていて、短期の採用したい場合、日本語で募集をかけることが多いと思います。一方、英語で仕事をしていると英語で募集することになり、英語を話す人の方が圧倒的に多いので、候補者の数が桁違いに増えて、選択肢が多くなり、良い人材に巡り会える確率が高くなります。アメリカだからという事例ではないのですが、英語で仕事をしていることで得られるメリットだと感じています。
インタビュアー:それでは、そろそろインタビューも終わりに近づいて来ましたが、Satoruさんにとって留学の醍醐味とは何ですか?
Satoru:留学でしか手に入れられないもの、というのはどんどん少なくなってきているのかなと感じています。インターネットのおかげで、スマホやパソコンだけで多くのことが学べるようになり、実際、僕は今アメリカにいますが、英語の発音の基礎は現地のアメリカ人からではなくRachel’s EnglishというYouTubeチャンネルで勉強しました。学びたいという気持ちと方法さえ知って入れば、知識は手に入ると思います。それでも、留学してよかったと感じたのは、様々な目標を持った仲間と出会い、目標は違うけれども、毎日励まし合いながら地道に努力する時間を過ごせたことでした。留学でなくても良いと思うのですが、僕の場合は留学でした。
もう一つは、1秒1秒生きる理由を意識できるという点だと思います。少し大げさな言い方ですが、生まれ育った日本ではなく、なぜ今アメリカにいるのか?と考えると、そこには目的があり、達成したい目標のために今この国に来たことをいつも思い出します。目標のためにわざわざ来たのだから、今やっていることが目標達成に繋がっていなければ生きている意味がない、と意識しながら生活しています。
インタビュアー:なるほど。留学は大きい目標を達成するための一つの手段として考えられているんですね!最後に、これから留学や編入をする後輩たちに向けて一言お願いします !
Satoru:留学は、何の邪魔も入らず、自分が立てた目標に対して全力投球できる数少ない機会だと思います。思い立った時に、その瞬間にできることを実際にやって、苦しいこともあると思いますが、渡米した理由を忘れずに前進し続けてください!
インタビュアー:Satoruさん、インタビューを受けて頂きありがとうございました!
Satoru:ありがとうございました!
Satoruさん、インタビューのご協力ありがとうございました!
このインタビューの記事が三回に分けて投稿した事からも分かるように、Satoruさんは全ての質問に全力で答えてくれました。コミュニティーカレッジから直接アメリカで就職する人は少ないので、Satoruさんの体験は参考になるんではないでしょうか?
皆さんが、どんなに些細な事でもいいので、このインタビュー記事から何かしら得るものがあることを願います!!
次週からはAlumni Interview Project 第4弾!!
第4弾は、DVC卒業後、カリフォルニア州立大学トップのUCLAに編入された Nakajima Raimon さんです!
UCLAはDVCからの編入先としても人気なので是非チェックして下さい!
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